送球部って何部?名称由来から競技ルールまで調べてみた!

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雑学

学校の部活動名を見ていると、「野球部」「陸上部」「剣道部」など分かりやすい名前が多い中で、時々「送球部」という少し聞き慣れない名前を見かけることがあります。
一瞬「ボールを送る部?」「パス専門の部活?」なんて思う人も多いはず。実はこの「送球部」というのは、ハンドボール部の正式な漢字表記なんです。

この記事では、そんな「送球部」という名前の由来から、競技ルール・歴史・日本での人気やレベル、さらにはハンドボールの強豪校まで、まとめて詳しく紹介していきます。


送球部という名前の由来は?

「送球」という言葉は、文字通り「球を送る」という意味です。
英語の handball(ハンドボール) を日本語に直訳したときに、「手でボールを送る競技」というニュアンスからこの名前が生まれました。

実際、戦前の日本ではスポーツの和訳名を使うことが多く、「籠球(ろうきゅう)=バスケットボール」「排球(はいきゅう)=バレーボール」「庭球(ていきゅう)=テニス」「蹴球(しゅうきゅう)=サッカー」などと並び、送球=ハンドボール という分類ができたのです。

つまり、「送球部」とは「ハンドボール部」を漢字で書いたときの正式表記。
今でこそ多くの学校では「ハンド部」「ハンドボール部」とカタカナで表記されていますが、公立校や歴史のある学校では、今も「送球部」と表記するところも多く見られます。

漢字文化の名残として、「送球」という表現が残っているのは日本独自の特徴とも言えるでしょう。


送球(ハンドボール)のルールや豆知識

ハンドボールは、バスケットボールとサッカーを合わせたようなスピード感のある競技です。
1チーム7人(フィールドプレーヤー6人+ゴールキーパー1人)で構成され、手でボールを扱いながら相手のゴールにシュートを決めて得点を競います。

基本ルールのポイント

  • 試合は前後半30分ずつ(高校では25分ずつ)で行われます。
  • ボールを持って3歩まで進むことができ、3秒以内にパスかドリブルをしなければなりません。
  • ゴールエリア(6mライン)の内側にはキーパー以外は入れません。
  • シュートはジャンプしてライン外から打つのが基本です。
  • 相手への過度な接触は禁止ですが、体を張ったディフェンスは許されています。

ルールを聞くとバスケに似ていますが、ボールの扱い方や身体接触の激しさはむしろサッカーやラグビーに近い部分もあります。
実際、ヨーロッパでは非常に人気のあるスポーツで、特にデンマーク・フランス・ドイツなどでは国民的競技のひとつになっています。


競技人口はどのくらい?日本と世界比較

ハンドボールの世界人口は約3,000万人とも言われています。
国際ハンドボール連盟(IHF)に加盟している国は約200か国。つまり、世界中で親しまれているスポーツのひとつです。

一方、日本の競技人口はおよそ10万人前後。
これはサッカー(約100万人以上)やバスケットボール(約60万人)と比べると少ないですが、地方では根強い人気があります。特に九州・中四国・北陸・沖縄などはハンドボールの盛んな地域です。

学校部活動でも、関東より西の地方では「ハンドボール部=送球部」という表記を見かけることが多く、全国大会(インターハイ)にも常連校が多数存在します。


日本のハンドボールのレベル

国際大会の成績を見ると、日本のハンドボールはまだ「中堅国」という位置づけです。
オリンピックや世界選手権でも上位進出はなかなか難しいですが、近年は男女ともにレベルアップが進んでいます。

男子では「彗星ジャパン」、女子は「おりひめジャパン」と呼ばれ、ヨーロッパの強豪国に挑む姿勢を貫いています。特に女子代表は2020年東京オリンピックで注目を集め、戦術・スピード・フィジカルのすべてが近年大きく進化しています。

国内では社会人リーグ「日本ハンドボールリーグ(JHL)」が存在し、トヨタ車体・大崎電気・北國銀行などの企業チームが中心に活動しています。
ハンドボール経験者が教員や指導者となり、地域のジュニアクラブから学校部活まで一貫指導されている点も、日本の特徴です。


ハンドボールで1番強い高校はどこ?

毎年行われる「全国高等学校ハンドボール選手権大会(インターハイ)」では、全国の強豪校が激戦を繰り広げます。
2020年代以降の成績を総合的に見ると、以下の高校が全国トップクラスの実力を持っています。

【男子】

  • 洛北高校(京都府)
  • 興南高校(沖縄県)
  • 瓊浦高校(長崎県)
  • 法政二高(神奈川県)

【女子】

  • 大阪偕星学園(大阪府)
  • 富岡高校(群馬県)
  • 佼成学園女子(東京)
  • 不来方高校(岩手県)

特に沖縄の興南高校は、ハンドボール王国と呼ばれるほどの強豪で、全国大会での優勝経験も多数。地元全体がハンドボール文化に支えられており、「沖縄といえばハンドボール」と言われるほどです。


ついでにスポーツの漢字一覧表を見てみよう

「送球部」以外にも、実は日本のスポーツには多くの漢字表記があります。明治〜昭和初期に、外国語のスポーツ名を日本語で表そうとした名残なんです。

漢字表記読み方現在の名称
野球やきゅうベースボール
籠球ろうきゅうバスケットボール
排球はいきゅうバレーボール
蹴球しゅうきゅうサッカー
庭球ていきゅうテニス
氷球ひょうきゅうアイスホッケー
水球すいきゅうウォーターポロ
卓球たっきゅうピンポン(テーブルテニス)
羽球うきゅうバドミントン
送球そうきゅうハンドボール

こうして並べると、スポーツの漢字表記はどれも意味が分かりやすく、漢字文化の豊かさを感じますね。
特に「送球」は、他のどの競技よりも“動作のイメージ”がそのまま伝わる言葉です。


【まとめ】送球部とはハンドボール部のことだった!

ここまで見てきたように、「送球部」とはハンドボール部のことを指します。
漢字の意味を紐解くと、「手でボールを送り合う競技=送球」となるため、まさにハンドボールの特徴そのものです。

ルールはバスケットやサッカーに似ていますが、よりスピーディーでダイナミック。
そして何より、チーム全員でボールをつなぎ、タイミングを合わせてゴールを狙う連携プレーが最大の魅力です。

「送球部」という響きには、昭和の面影と伝統が残っています。
それを今の高校生たちが引き継ぎ、全力で汗を流している姿はとても爽やかです。

もしあなたの学校にも「送球部」があったら、ぜひ一度、練習や試合を見学してみてください。きっと“ボールを送る”という言葉の意味が、心の中にも伝わってくるはずです。